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[転載]日本のTPP加盟:エンバーゴ(兵糧攻め)の国家リスクあり

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新ベンチャー革命20101029日 No.222
 
タイトル:日本のTPP加盟:エンバーゴ(兵糧攻め)の国家リスクあり
 
1.米国のアジア戦略が動き出す
 
 201011月上旬に始まるAPEC横浜を控えて、最近、TPP(Trans-Pacific Partnership)なるものが話題になっています。環太平洋戦略的経済連携協定と訳されています。要するに、米国主導のアジア太平洋地域の自由貿易協定のようです。
 
APEC(アジア太平洋経済協力)が存在するのに、なぜ、別途、TPPが必要になるのか、素朴な疑問が湧きます。APECには中国が加盟しているので、米国は中国抜きで、米国主導のアジア太平洋経済圏をつくりたいのでしょうか。
 
 中国の台頭と、米国の衰退という国際環境の激変が、アジア太平洋経済圏の主導権争いに影響を与えているのは確かです。
 
 20101029日発表のオバマ訪亜日程(11月)によれば、インド、インドネシア、日本、韓国は訪問国リストにありますが、肝心の中国は含まれていません。
 
2.日本のTPPへの加盟の是非
 
 米国オバマ政権は、日本のTPPへの加盟を打診しているようですが、交換条件として、日本の農産物輸入自由化や郵政民営化を持ち出しています。貿易立国日本は、孤立を恐れて、TPPに飛びついてくるとみられているのでしょうが、TPPへの中国加盟の表明は今のところありません。中国抜きのアジア太平洋地域自由貿易協定は意味があるのでしょうか、大変疑問です。
 
 日本がTPPに加盟するか、しないかを踏み絵にして、日本が経済パートナーとして米国を採るのか、中国を採るのか、二者択一を迫られているとするならば、日本のTPP加盟問題は、国家の存亡を左右する一大事ということになります。
 
 20099月に船出し、脱亜入米から入亜脱米に舵を切ろうとした小沢・鳩山政権が、1年未満で米国戦争屋およびそのロボット・悪徳ペンタゴンに潰され、対・戦争屋従属の菅・仙谷政権になった今、菅・仙谷政権は、中国重視よりも、米国重視に回帰しています。日本にとって、米国とも、中国とも、対等に、経済交流できることが理想ですが、米国にとって、中国の脅威が増しているので、話は簡単ではありません。
 
なお、上記、米国戦争屋およびそのロボット・悪徳ペンタゴンの定義は、本ブログNo.188の注記をご覧ください。
 
3.日本の食糧安全保障の重要性
 
 日本がTPPに加盟すれば、日本のコメ生産農家が大打撃を受け、日本の農業が崩壊するという懸念の声が挙がっています。
 
 コメ輸入が完全自由化されたら、日本の食料自給率が、40%から14%に急落すると、農水省は試算しています。おそらく、この試算に間違いはないでしょう。
 
 筆者の持論は、国家安全保障の観点から、日本の食料自給率は70%くらいに引き上げるべきというもの。その根拠は、欧米先進国はことごとく、基本食糧の自給自足を維持しているからです。基本食糧の自給自足は、独立国家を維持する大前提となっており、経済性論議以前の国家安全保障、国家存立基盤の問題なのです。
 
4.米国覇権主義者の対日戦略
 
 米国政府が、アジアの一部のローカル協定だったTPPを乗っ取り、急に、動き出したのには、彼らなりの事情があるはずです。米国は基本的に農業国であり、米国農業団体は、米国政治に対する圧力団体です。米国経済再生のため、米国の農産物の輸出振興は重要です。米国農業団体が、TPPを利用して、日本に農産物を輸出したいと考えるのは当然です。
 
 もし、オバマ政権が、日本のTPP加盟を暗に、強制しているならば、それは、あくまで、米国の都合であって、彼らが日本国民の幸福を考えることは、絶対に、ありません。
 
 日本は、日本の国益を考えて、TPP加盟、非加盟を決めるべきでしょう。小泉政権時代のように、米国の要求は何でもYESというのだけは、もう、勘弁してもらいたい。
 
5.エンバーゴ(兵糧攻め)のリスクあり
 
 英語にはエンバーゴ(Embargo)という言葉が存在します。ある国が、どこかの国に戦争を仕掛ける場合、このエンバーゴが適用されます。戦前の日本も、日米戦争開戦前、エンバーゴが適用され、石油や鉄鉱石や小麦の輸入が禁止されています。つまりエンバーゴとは“兵糧攻め”という軍事用語です。
 
 戦争のプロ・米戦争屋は、日本や中国など、貿易相手国を常に、機会(Opportunity)と脅威(Threat)の両面から捉えます。現在、中国は、機会より脅威が高い国、すなわち、仮想敵国とみなされています(注1)
 
上記、オバマの11月訪亜日程にて訪中が実現しないという事実から、米国では、戦争屋系の対中脅威論が、優勢となっているとみなせます。
 
 一方、日本は、入亜脱米の小沢・鳩山政権の登場で、米戦争屋にとって、いったん、脅威度が上がりました。そこで、米戦争屋は、あらゆる手段を弄して、不都合な小沢・鳩山政権を潰し、対日脅威度を下げたのです。
 
 米戦争屋は戦後日本に対する対日戦略三本柱として、まず(1)日米同盟で、日本の独自防衛を規制し、核兵器を絶対にもたせない。次に(2)日本独自の石油資源の自主開発をことごとく潰すこと、です(注2)
 
そして、彼らの3番目の対日戦略は、(3)日本の基本食糧を全面的に対米依存させること、です。
 
 もし、米戦争屋にとって、日本の脅威度が上がったら、いつでも、エンバーゴが適用できるようスタンバイしておくこと。これは、戦争屋の本能の領域です。同盟国はいつ敵に寝返るかも知れない、これは、戦争プロの鉄則です。現に、アンチ戦争屋の小沢・鳩山政権が日本で誕生していますから・・・。
 
6.菅政権の日本は小泉政権時代並みのカモに回帰したか
 
今の菅政権下の日本は、米戦争屋からみれば、小泉政権時代並みに、機会優位国に回帰しています。悪い言葉で言えば、今の日本は、戦争屋あるいは米国覇権主義者にとって、小泉時代同様、おいしいカモということです。
 
 そこで、おもむろに、TPPを持ち出して、日本を米国の機会国(カモ)にしようとしているのです。郵政民営化をTPPに絡めていることから、彼らの魂胆ミエミエです。
 
ところが、日本の貿易相手国として、大借金国・米国より、成長著しい中国の方が、今後、はるかに重要となります。
 
 その観点から、日本のTPPへの加盟に関しては、まず中国の出方を見定める必要があるでしょう。中国抜きの環太平洋経済圏というのは現実に、非常に不自然です。
 
注1:本ブログNo.213『世界的寡頭勢力のアジア攻略ターゲット:日本から中国へシフト』20101012
 
注2:本ブログNo.207『サムライ小沢にビビった米国戦争屋:日本封じ込め作戦始動か?』2010101
 
 

転載元: 新ベンチャー革命


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