スターリンの遺伝子
ロシアのプーチン大統領のクリミヤ併合、ウクライナ侵略、核攻撃
恫喝などが国際的な非難を浴びています。この乱暴な強権政治、
侵略主義はかつてのソビエトのスターリンの亡霊が現れたかのよう
です。
スターリンは「国際共産主義」の看板に隠れて、露骨な領土拡張主義
をとり、時には日、独、伊の3国枢軸とも結んでヨーロッパを分割し、
中東からインドまで進出し、中国・満蒙を切り取ろうとしていました。
日本がポツダム宣言を受諾して降伏した後も、「日露戦争の復讐だ」と
して樺太や千島を米英の黙認のもとに侵略して併合しました。
このような乱暴な大国主義が現在のロシアに生き残っている事実を
このような乱暴な大国主義が現在のロシアに生き残っている事実を
証明したのが今回のウクライナ、クリミヤへの侵略に外なりません。
今年はNPT(「核兵器の不拡散に関する条約」(Treaty on the Non-
Proliferation of Nuclear Weapons))と再検討会議の開かれる年でも
あります。そこへプーチン氏は「(ウクライナで)核戦力を準備するよう
に命じた」と言うのですから、耳を疑います。
「核の危機」(核兵器を持つことによって起こる偶発戦争)は歴史的にも
何回か、その寸前までいったことがありました。古くは朝鮮戦争時、
マッカーサーが鴨緑江越えのために原爆投下を主張して更迭され、
その後キューバ危機ではミサイルの安全装置まで外されたとか。
沖縄のメースBミサイルは中国都市への核攻撃命令まで出ていた
と言われます。台湾との紛争時にもベトナム戦争時にも核攻撃の
シナリオが存在したのです。沖縄にも日本本土にも核兵器が貯蔵
されていたのです。
今日の広島の新聞をはじめとしたいくつかの紙面を紹介しましょう。
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「核で物事解決せぬ」 広島知事 日本
被団協も抗議 プーチン氏「核準備」発言
2015年3月18日 中国新聞より引用
2015年3月18日 中国新聞より引用
広島県の湯崎英彦知事は17日の記者会見で、ロシアのプーチン大統領がウクライナ情勢に絡み核兵器使用の準備を命じていたと発言した問題について「核兵器では物事が解決しないことを、あらためて認識してほしい」と訴えた。日本被団協もこの日、抗議の声明を出した。
湯崎知事は発言について「事実とすれば遺憾だ」とした上で、「ロシアに対する国際社会の信頼を大きく損ない、核兵器廃絶を望む世界中の人々をがっかりさせた」と批判。「核兵器のない世界の実現に努め、信頼回復を図ってほしい」と求めた。
また湯崎知事は、オーストリア政府が核兵器禁止を呼び掛けた文書に日本政府が賛同しない方針を固めたことについて、「核兵器のない世界に向けて非常に重要な取り組みで、配慮がなされた文書でもある」と述べ、日本政府も賛同するべきだとの考えを示した。
日本被団協も、プーチン氏の発言に「強い怒りをこめて抗議する」との声明を出した。声明では、原爆投下で傷ついた被爆者は、70年たっても「後遺障害で苦しんでいる」と強調。核兵器の非人道性に関する国際会議や共同声明も踏まえて「核兵器が使用されれば救済するすべがないことは、国際政治の共通の理解になっている」と指摘した。
その上で、プーチン氏に「非人道きわまる核兵器の全廃への道を進むよう要求する」と訴えた。(松本恭治、藤村潤平)
きょうの潮流 2015.3.18
あわや、核戦争に
1962年のキューバ危機の際に米軍内で核攻撃の命令が誤って出されていました。命じられたのは沖縄の部隊。そこにいた元技師らの証言で最近わかりました▼米ソの緊張が高まるなか、無線で届いたという核ミサイル4基の発射命令。しかし標的にはソ連以外の国も。おかしいと思った指揮官が思いとどまる。後に誤りだったと。もし、ボタンが押されていたら…。世界から核兵器がなくならない限り、消えない恐怖です▼ロシアがウクライナのクリミア半島を併合してから1年。プーチン大統領の口から驚くべき発言が飛び出しました。併合に至る当時の過程で核兵器を使う「準備をしていた」と打ち明けたのです▼米国と並ぶ核大国の最高権力者が自国の領土拡大のためには核兵器の使用まで視野に入れる。大国意識丸出しの覇権主義にこの国の前時代的な凶暴さが表れています。核をなくす世界の流れにも逆行し、不信と緊張をあおるだけです▼安倍政権は見過ごせても、被爆国日本にとっては許せない暴言。広島市長はすぐに談話で「被爆者をはじめ、核兵器廃絶を求める被爆地ヒロシマの願いに背くものであり、憤りの念を禁じえない」▼被爆70年の今年、核兵器のない世界に向けて、人類が手を携える運動がひろがっています。核廃絶はいまや世界の大勢。ロシアや米国をはじめ、核保有国にいいたい。「核兵器を使うことを考えるのではなく、非人道きわまる核兵器の全廃への道を進むよう要求する」(被団協)
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