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 韓国統一省は8日、北朝鮮が経営する国外レストランの男性支配人1人と女性従業員12人が集団で脱出し、7日に韓国に入国したと発表した。これまでレストラン従業員1~2人程度が個別に逃げ出したことはあったが、これほどの大規模な「脱北」は初めて。
 同省は関係国との外交関係などに配慮し、従業員たちがどの国で働いていたかは明らかにしなかった。北朝鮮レストランは中国や東南アジアなど12カ国に約130カ所あるといい、年間収益は1千万ドル(約11億円)にのぼるという。
 従業員らは国外生活で、テレビやインターネットで韓国ドラマなどを見ていた。北朝鮮の体制宣伝の虚構を知り、集団脱出を決意したという。3月の国連制裁決議後、北朝鮮当局から外貨の上納金の督促が続き、負担を感じたという証言もあった。
 韓国は1月の北朝鮮による核実験を契機に、自国民に北朝鮮レストランの利用自粛を要請。中国などでは北朝鮮レストランの利用客が急減したり、北朝鮮従業員が現地の別のレストランで働いたりする様子が目撃されていた。(ソウル=牧野愛博)