口蹄疫:埋却地の周辺地下水から細菌検出
2次汚染の懸念が表面化
2010年末から11年初めにかけ、韓国で史上最悪規模の口蹄(こうてい)疫が発生してから3年がたった今、家畜を埋めた場所の周辺の地下水が病原性微生物に汚染されていることが、政府の依頼を受けた研究機関による調査で初めて明らかになった。
口蹄疫が発生した当時、約348万頭の豚や牛などを生き埋めにした全国4799カ所の埋却地で、今後2次汚染を引き起こしかねないという懸念が、3年たった今になって表面化したというわけだ。
先月30日に本紙が入手した「家畜埋却地周辺の地下水の第3回病原性微生物調査」報告書によると、11年初めに約3000頭の豚を埋めた京畿道利川市の埋却地内で検出された「豚アデノウイルス」が、昨年10月の調査の際、埋却地から10メートル離れた地下水観測用井戸でも検出されたことが分かった。また、埋却地から50メートル離れた地下水からは大腸菌をはじめとする病原性細菌が検出された。
昨年、環境部(省に相当)の依頼を受け研究を行った韓国微生物学会と大韓ウイルス学会は報告書で「埋却されてから3年がたっても、埋却地内に細菌やウイルスなどの微生物の汚染源が依然として存在しており、周辺の地下水などに影響を与えている」と説明した。
研究責任者のアン・テソク江原大学教授は「当時、地下水から検出されたウイルスは、人には感染しない種類だ」としながらも「埋却地がある全国の畜産団地周辺の地下水に対し、微生物による汚染を防ぐための措置を講じる必要がある」と指摘した。