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[転載]再考☆「原爆しょうがない」発言

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https://blogs.c.yimg.jp/res/blog-51-47/tocka_jikkoi/folder/1078838/95/50664495/img_0?20170406213016

米国による広島、長崎への原爆投下について「しょうがない」と発言した久間章生防衛相(当時)は、世論の激しい批判を浴び、辞任に追い込まれた。この一件を久間だけの責任に帰すわけにはいかない。なぜなら安倍内閣自体が「国益(=支配階級の利益)を守るためなら人命を犠牲にしてもしょうがない」という立場に立っているからだ。

<戦争犯罪を正当化>
「(米国は)日本が負けるとわかっているのに、あえて原子爆弾を広島と長崎に落とした。そこまでやったら日本も降参するだろう、そうしたらソ連の参戦を止めることができるということだった。幸いに戦争が8月15日に終わったから、北海道は(ソ連に)占領されずにすんだ。原爆も落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、『あれで戦争が終わったんだ』という頭の整理でしょうがないと思っているし、それに対して米国を恨むつもりはない。原爆まで使う必要性があったのかという思いは今もしているが、国際情勢や占領状態からするとそういうことも選択としてあり得るんだということを頭に入れながら考えないといけない」

要するに、久間発言の核心は「ソ連の占領=日本の社会主義国化を未然に防いだのだから、原爆投下はしょうがない」ということにある。彼の頭の中では、原爆で「無数の人が悲惨な目にあう」ことよりも「ソ連の占領」を防ぐことのほうが、国家の利益(=支配階級の利益)にとって重要なことなのだ。

<背景に「戦後の脱却」>
今回の久間発言は彼自身の、そして安倍政権の本音である。「戦後レジーム(体制)の脱却」を掲げ、核武装論ですらタブーではなくなった安倍政権の雰囲気が久間の放言を導いたといえる。

原爆使用を正当化する久間発言や麻生太郎外相らの核武装発言が示すように、安倍政権の唱える「戦後レジームの脱却」とは、ひらたく言えば「戦争を絶対悪視せず、政策の選択肢として認める」ということだ。国益(しつこいようだが、正確にはグローバル資本及び支配階級の利益のこと)のためなら、武力行使で死傷者が出ても「しょうがない」ということなのだ。

<戦争勢力は追放だ>
ただし、国民に対して「戦争の実体は資本の儲けのための殺し合い」だと認めるわけにはいかない。「軍隊が守るのは『国家』であり、市民ではない」という軍事上の常識が広まってもいけない。そんなことになれば、戦争への動員が難しくなる。

政府・自民党による歴史歪曲策動(「従軍慰安婦」の強制性を否定した安倍首相発言や歴史教科書の沖縄戦「集団自決」記述の書き換えなど)が相次いでいる理由はここにある。軍隊による人権侵害の典型というべき日本軍性奴隷制の実態や日本軍が自国民に銃口を向けた沖縄戦の真実は、これから戦争をしようとしている為政者にとって、国民にはどうしても隠しておきたいことなのである。

戦争国家づくりを進めている連中が「原爆投下はしょうがない」とうそぶき、「核武装を議論せよ」とわめき、軍隊にとって都合の悪い史実を歪曲し、自衛隊に批判的な市民の動向を監視する--まったく何というわかりやすい構図であろう。

久間辞任でトカゲの尻尾切りをしても、不戦の憲法を破棄しようとしている安倍“戦争”内閣の性質は変わらない。戦争による人殺しを「しょうがない」と考えるような連中を国会から追放しなければならない。(「MDS」994より抜粋)
【全文】http://www.mdsweb.jp/doc/994/0994_08a.html

靖国問題と同じく、原爆をめぐる議論は歴史解釈に流れがちだ。だがこの記事は、国家論を適用し、論理的・現在的に問題を突き出している。たしかに当時、ソ連は資本を認めないから、資本家にとっては米国に占領された方がマシだということか。今では米国に追随しつつ、企業収益をのばしている。庶民を貧困のどん底に突き落とし、戦争に希望を待たせながら。

転載元: ロシア・CIS・チェチェン


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