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Channel: 在日の違法行為を咎めるのブログ
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[転載]中国の反日暴動について

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 今日は、3週も続いた中国の反日暴動事件について、やむにやまれず少し書きます。偶々任地アルゼンチンを離れ、毎日日本の関係施設に投石などのいやなニュースを聞かされる日本にいるので。
 私は02年から03年にかけて天津の外語系の大学で日本の政治経済文化事情の紹介や初級日本語を教えていたので、いまの中国人学生たちの心情は多少分かっているつもりです。しかし情報ではどうもあの暴動を起こしているのは学生は少なくて、かなり野次馬が多いようなので、私の見方は見当はずれかもしれません。それでも一言コメントしておきたいのであえて蛇足します。
 巷間伝えられている通り、中国はこの10年間特に愛国教育を徹底してきました。それはそれでどこの国でも大なり小なりやっている事だし、ナショナリズムを高揚させることは悪い事ではないでしょう。それが行き過ぎない限り。ただ通常ナショナリズムは何も教育しなくても、誰でも生まれ育った自分の国を愛さない者はいないでしょう。国とは言わず、故郷と言い換えればもっと分かりやすいかも知れません。そこで中国がなぜここへきて急に愛国教育に力を入れたのかという点に目を向ける必要があるでしょう。その一つは世代交代が進み、太平洋戦争で日本軍が非戦闘員の中国人に行った残虐な行為が時の推移とともに風化してしまうことを恐れたということが挙げられるでしょう。もう一つは、戦後50年以上も共産党一党独裁できた政権の安定のためには常に批判勢力の分散化・外部転化が必要だということが挙げられるでしょう。従って他の国々とは大分事情が違っているため、愛国教育は周到を極め、事実は必要以上に強調されることになります。
 私が天津で教鞭を取っていた年は丁度日中国交正常化30周年にあたり、色々な行事が中国でも行われましたが、日本語学科の学生にそれに因んだ作文を約100人の学生に書いてもらいました。そこから、中国での愛国教育の真の姿が読み取れると思ったわけです。しかし多くの学生は非常に冷静に日本軍の行為を受け止めており、むしろそれを知らされていなかった日本の一般国民に同情するような論調が目立っていたのには驚きました。たった一人だけ祖父が南京虐殺事件に遭遇した学生がおり、その祖父からの聞き語りを怒りを込めて書いていたが、最後は真実を知らされていない日本の一般市民にそのことを正確に伝えて欲しいし、今後市民レベルでの交流をもっと進める必要があると結んでいました。
 そこでやはり気になるのが、日本の政治家のあまりにもお粗末な歴史認識と外交努力のなさです。今回の暴動騒ぎに対して彼らが声高に叫んでいるのは、単に中国政府に対して沈静化努力と損害賠償を訴えるばかりで、暴動の真の原動力になっているものを探ろうとする姿勢は皆無です。
 例の靖国参拝問題もドイツの首相がヒトラーの墓参りをするようなものだと言った人がいますが、これは非常に分かりやすい例えでしょう。もちろん極東裁判で処刑された軍人だけが戦争遂行を進めたわけでなく、一般世論が進めさせたという見方もあります。だからと言って彼らの墓を一般軍人と合祀していいというものでもないでしょう。またその合祀の時点で一般日本人は知らされていなかったからか、左翼からも何の反対運動も起こらなかったという点を考えれば、処刑された戦争犯罪人に日本人一般は同情していたのではないかということがいえるかもしれません。だから政治屋一家に生まれて運良く首相に登りつめた男が何のためらいもなく参拝をする姿を日本人一般は責めるどころか良くやったと思っている国民だと外国人から見られても仕方がないのかもしれません。
 今回の中国の一連の暴動騒ぎはもちろん色々な原因があるにせよ、傾きかけているとはいえ富める隣国へのコンプレックスや益々広がる貧富の差などがあって、国としてもその不満の爆発を恐れて、偶々無神経な歴史認識を欠いた行動をする隣国に転化させたという見方もあるでしょう。しかし、いずれにせよ、我々日本人として真摯に受け止め、友好関係を保つためのあらゆる努力を傾注しなければならない事ははっきりしているでしょう。
 (注)この写真はこの6月に出す「SARSが町にやってきた」の表紙に使われています。

転載元: ぶっちゃけノンフィクション


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