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[転載]尖閣諸島周辺海域における領海警備 海保レポート2015

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特集 離島周辺や遠方海域における海上保安庁の活躍
II 尖閣諸島周辺海域における領海警備
魚釣島周辺海域にて監視警戒する巡視船
魚釣島周辺海域にて監視警戒する巡視船
尖閣諸島周辺海域では、依然として中国公船による領海侵入が発生しているほか、最近では外国漁船による活動が活発化するなど、緊迫した情勢が続いています。このような中、海上保安庁では、我が国の領土・領海を断固として守りぬくとの方針の下、法執行機関として、国際法や国内法に基づき、冷静に、かつ、毅然とした態度で対処しています。



1 尖閣諸島の概要
 尖閣諸島の位置関係
 尖閣諸島は、南西諸島西端に位置する魚釣島(うおつりしま)、北小島(きたこじま)、南小島(みなみこじま)、久場島(くばしま)、大正島(たいしょうとう)、沖ノ北岩(おきのきたいわ)、沖ノ南岩(おきのみなみいわ)、飛瀬(とびせ)等からなる島々の総称です。

尖閣諸島位置関係図
尖閣諸島位置関係図

日本政府の基本的立場
 尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかであり、現に我が国はこれを有効に支配しています。したがって、尖閣諸島をめぐって解決しなければならない領有権の問題はそもそも存在しません。 (外務省HPから抜粋)


2 中国公船等の状況
1 尖閣諸島周辺海域における主な情勢
尖閣諸島周辺海域における主な情勢

2 中国公船による接続水域入域・領海侵入
 尖閣諸島周辺海域では、平成24年の海上保安庁による尖閣三島(魚釣島、北小島、南小島)の取得・保有以降、中国公船による領海侵入が繰り返されています。平成26年においては、平成25年と比べて中国公船の領海侵入件数は減少しているものの接続水域を航行している状況に大きな変化はなく、依然として緊迫した情勢が続いています。

中国公船による接続水域・領海侵入隻数
中国公船による接続水域・領海侵入隻数

尖閣三島の取得・保有以降の中国公船による領海侵入の実態(平成27年3月末現在)
尖閣三島の取得・保有以降の中国公船による領海侵入の実態(平成27年3月末現在)

3 外国漁船の活動
昨今、尖閣諸島周辺海域では、外国漁船による活動も活発化しています。特に、中国漁船については、領海からの退去警告隻数が年々増加しており、平成26年は208隻と、平成23年の8隻と比べて26倍に上っています。

尖閣諸島周辺海域における外国漁船の退去警告隻数(平成26年12月末現在)
尖閣諸島周辺海域における外国漁船の退去警告隻数(平成26年12月末現在)



4 海上保安庁の対応
領有権主張活動家船舶を規制する巡視船
領有権主張活動家船舶を規制する巡視船
 海上保安庁では、現下の情勢をふまえ、第十一管区海上保安本部所属の巡視船艇・航空機をはじめ、必要に応じ全国からの応援派遣により必要な勢力を確保し、中国公船に対して領海に侵入しないよう警告するとともに、警告にもかかわらず領海に侵入した場合には、退去要求や進路規制を行い、領海外に退去させています。

 さらには、外国漁船や領有権に関する独自の主張を行う活動家船舶等に対しても、我が国の領土・領海を断固として守りぬくとの方針の下、法執行機関として、国際法や国内法に基づき、冷静に、かつ、毅然として対応しています。


5 戦略的海上保安体制の構築
 我が国の主権と領土・領海を堅守し、国民の安全・安心を確保することを任務とする海上保安庁では、引き続き、尖閣諸島・小笠原諸島周辺海域をはじめとする我が国周辺海域において領海警備や外国漁船の取締りに万全を期すとともに、海上における様々な不審事象、不法行為等に隙のない対応を確保するため、戦略的海上保安体制の構築を着実に進めています。

 海上保安庁では、今後とも、我が国を取り巻く様々な情勢をふまえながら、体制の充実強化を図り、領海警備や外国漁船の取締り等に万全を期していきます。(小笠原諸島周辺海域等における外国漁船への対応については、I 小笠原諸島周辺海域等における外国漁船への対応で詳しく説明していますので、ご覧ください。)

1 尖閣領海警備専従体制の確立
 海上保安庁では、尖閣諸島周辺海域における中国の大型公船への対応に万全を期すため、平成27年度末までに、大型巡視船14隻相当による専従体制の整備を進めています。
具体的には、平成24年度から着手した監視能力、制圧能力等を備えた1,000トン型巡視船の整備等のほか、海上保安官の確保・養成や石垣港の係留施設の整備等を着実に進めています。

2 更なる情勢の変化にも対応できる体制の確保
 専従体制の整備に加えて、中国の大型公船の増強計画や中国海上法執行機関の統合といった動きをふまえ、尖閣諸島周辺海域の更なる情勢の変化等が生じた場合にも、全国からの応援派遣体制を確保するため、老朽化した巡視船について高性能化を図った巡視船への代替整備を進めるなど、既存勢力の対応力の強化を図ることとしています。

3 隙のない海上保安体制の構築
 尖閣諸島周辺海域における外国漁船による活動の活発化や我が国を取り巻く国際情勢をふまえ、また、安全保障法制整備に係る閣議決定(平成26年7月)において海上保安庁の対応能力の向上等が求められていることから、尖閣諸島周辺海域及び全国において、隙のない海上保安体制を構築するための体制整備を進めていきます。
 具体的には、尖閣諸島周辺海域における航空機による24時間監視体制の構築のための新型ジェット機の整備、外国漁船に対応した規制能力強化型巡視船を整備することとしています。また、全国における航空機による広範・効率的なしょう戒を実施するための運航費の確保や高性能化を図った巡視船への代替整備等を進めていきます。

戦略的海上保安体制の構築
戦略的海上保安体制の構築




VOICE 専従船乗組員としての「自覚」「誇り」「覚悟」
 尖閣諸島は、我が国固有の領土であることは誰もが疑う余地の無い事実である。しかしながら、外国公船の徘徊、外国人漁業者による違法操業や外国人活動家による領有権主張活動等が尖閣諸島周辺海域において現実のものとして行われている。
 これらの事案に対し、我が国の海上における法執行機関である海上保安庁は、国際法と国内法に基づき、冷静かつ毅然とした態度で昼夜違わず365日間、尖閣諸島をしっかりと守り続けてきている。
 尖閣諸島周辺海域の領海警備は、いうまでもなく、海上保安庁の最重要任務の一つとなっている。
 平成26年の秋から暮れにかけて、南(ぱい)ぬ美(ちゅ)ら島(しま)こと石垣島に3隻の最新鋭型巡視船が遂にその雄姿を現した。使命感に燃え全国各地から石垣島に集結した海上保安官をはじめ、皆が待ちに待った海上保安庁で初めてとなる複数のクルー(職員グループ)で運用される大型巡視船たけとみ、なぐら、かびらの就役・配属である。
 この日のために準備には万全を尽くした。尖閣諸島周辺海域の領海警備の体制強化の本格的な幕開けである。
 専従船の乗組員達は長短こそあれ、それぞれ海上保安官としての歴史を持ち、これまで様々な分野の業務に携わってきた。しかし、今こそ、自分は尖閣諸島周辺海域の領海警備に最前線で臨むべきだという「自覚」、自分の希望が叶い現に最前線でこの最重要任務に就いているという「誇り」、そして、領海警備のプロフェッショナル、海上保安官として尖閣を守り抜くという「覚悟」を持って、石垣に配備された最新鋭型巡視船の乗組員としてこの任務を完遂することが今、我々に課された使命である。

転載元: 沖縄県風土記を読みませんか


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