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[転載]中國軍の わが国周辺における活動の状況 2015防衛白書

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わが国周辺海域における活動の状況

 海上戦力の動向としては、中国海軍の艦艇部隊による太平洋への進出回数が近年増加傾向にあり、現在では当該進出が常態化している。この際、中国海軍の艦艇部隊は、08(同20)年以来毎年沖縄本島と宮古島の間の海域を通過しているが、12(同24)年4月に、大隅海峡を初めて東進し、同年10月に、与那国島と西表島近傍の仲ノ神島の間の海域を初めて北進したほか、13(同25)年7月には、宗谷海峡を初めて東進し、さらに、15(同27)年3月には、奄美大島と横当島(よこあてじま)の間の海域を西進した。
 このように、中国海軍の艦艇部隊による東シナ海・太平洋間の進出・帰投ルートは、わが国の北方を含む形で引き続き多様化の傾向にあるなど、外洋への展開能力の向上を図っているものと考えられる。また、13(同25)年10月には、西太平洋で初となる海軍三艦隊合同演習「機動5号」が実施されたほか、14(同26)年12月にも、同様の三艦隊合同演習48が実施されたとみられ、じ後、演習に参加した一部の艦艇が宗谷海峡、対馬海峡を通り日本を一周した。

 このほか、東シナ海においては、中国海軍艦艇による活動が常態化しているとみられており49、中国側は尖閣諸島に関する中国独自の立場に言及したうえで、管轄海域における中国海軍艦艇によるパトロールの実施は完全に正当かつ合法的である旨発言している。13(同25)年1月には、中国海軍艦艇から海自護衛艦に対して火器管制レーダーが照射された事案や、中国海軍艦艇から海自護衛艦搭載ヘリコプターに対して同レーダーが照射されたと疑われる事案が発生している50

 中国公船の動向としては、尖閣諸島周辺のわが国領海において、08(同20)年12月に中国国土資源部国家海洋局所属の「海監」船が徘徊(はいかい)・漂泊といった国際法上認められない活動を行った。また、10(同22)年9月には、尖閣諸島周辺のわが国領海において、わが国海上保安庁巡視船と中国漁船との衝突事件が生起している。その後も、11(同23)年8月、12(同24)年3月および同年7月に「海監」船や中国農業部漁業局所属(当時)の「漁政」船が、当該領海に侵入する事案が発生している51
 このように、「海監」船および「漁政」船は、近年徐々に当該領海における活動を活発化させてきたが、12(同24)年9月のわが国政府による尖閣三島(魚釣島、北小島および南小島)の所有権の取得・保有以降、このような活動は著しく活発化し、当該領海へ断続的に侵入している。
 13(同25)年4月および9月には、当該領海に同時に8隻の中国公船が侵入した。同年10月以降は、領海侵入を企図した公船の運用状況からルーチン化の傾向が見られている。そのため、運用要領などの基準が定まった可能性も考えられる。
ソブレメンヌイII級ミサイル駆逐艦の画像
奄美大島と横当島の間を南西進した
ソブレメンヌイII級ミサイル駆逐艦(15(平成27)年3月)

 また、尖閣諸島近海に派遣する公船は大型化が図られており、15(同27)年2月には、初めて3,000トン級以上の公船が3隻同時にわが国領海に侵入した。さらに、中国は世界最大級となる1万トン級の巡視船の建造も進めている。

 なお、12(同24)年10月には、中国海軍東海艦隊の艦艇が「海監」船や「漁政」船と領土主権および海洋権益の維持・擁護に着目した共同演習を実施し、海軍の退役艦艇を13(同25)年7月に正式に発足した中国海警局52に引き渡しているとみられるほか、14(同26)年にも海軍と海警の連携訓練や海軍と海巡の共同訓練「海神2014」が行われるなど、海軍は、運用面および装備面の両面から海上法執行機関を支援しているとみられる。

参照図表I-1-3-4(わが国周辺海域における最近の主な中国の活動)
図表I-1-3-4 わが国周辺海域における最近の主な中国の活動(航跡はイメージ)


(3)わが国周辺空域における活動の状況
 近年、中国海・空軍の航空機によるわが国に対する何らかの情報収集と考えられる活動が活発にみられるようになっており、近年、空自による中国機に対する緊急発進の回数も急激な増加傾向にある53

 航空戦力の東シナ海上空における動向としては、07(同19)年9月、複数のH-6爆撃機が、また、10(同22)年3月には、Y-8早期警戒機が、東シナ海上空においてわが国の防空識別圏に入り日中中間線付近まで進出する飛行を行ったほか、11(同23)年3月には、Y-8哨戒機およびY-8情報収集機が、日中中間線を越えて尖閣諸島付近のわが国領空まで約50kmに接近する飛行を行うなど、飛行パターンも多様化している。
 12(同24)年には戦闘機を含む中国機による活動も活発化した。13(同25)年1月には、中国国防部が東シナ海における中国軍機による定例的な警戒監視および同軍戦闘機による空中警戒待機(CAP:Combat Air Patrol)とみられる活動の実施について公表を行った。また、同年の中国の国防白書では、空軍による海上空域での警戒パトロールに関する記述が新たに追加された。

 同年11月23日、中国政府は尖閣諸島をあたかも「中国の領土」であるかのような形で含む「東シナ海防空識別区」を設定し、中国国防部の定める関連の規則に従わない場合は中国軍による「防御的緊急措置」をとる旨発表した54
 同日、Tu-154情報収集機およびY-8情報収集機がそれぞれ東シナ海を飛行しており、中国空軍は、当該防空識別区設定後、初のパトロール飛行を実施した旨公表している。その後も、同月28日に、中国軍のKJ-2000早期警戒管制機、Su-30およびJ-11戦闘機が当該防空識別区においてパトロール飛行を、同月29日には、中国軍のSu-30およびJ-11戦闘機が緊急発進を実施した旨公表した。
 また、同年12月26日には、当該防空識別区設定後の1か月で、中国軍は関係空域に偵察機、早期警戒機、戦闘機を51回、のべ87機出動させた旨公表している。

 また、11(同23)年3月、4月および12(同24)年4月には、東シナ海において警戒監視中の海自護衛艦に対して、中国国家海洋局所属とみられるヘリコプターなどが近接飛行する事案が発生している55。さらに、14(同26)年5月および6月には、東シナ海において通常の警戒監視活動を行っていた海自機および空自機に対して、中国軍のSu-27戦闘機2機が異常に接近する事案が発生している56
 中国国防部は、自衛隊の航空機が中国側の航空機に対し危険な行為を行ったなどと発表しているが、いずれの場合も、自衛隊機による活動は国際法にのっとった正当なものであり、自衛隊機が危険な行為などを行ったとの事実は一切ない。

 航空戦力の太平洋への進出については、13(同25)年7月にY-8早期警戒機1機が、同年9月にH-6爆撃機2機が、それぞれ沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋に進出したことが空自の対領空侵犯措置により初めて確認された。同年10月には、Y-8早期警戒機2機およびH-6爆撃機2機の計4機が3日間連続で、14(同26)年3月には、Y-8情報収集機1機およびH-6爆撃機2機の計3機が、同年12月6日、7日、10日および11日には、Y-8早期警戒機2機、Y-9情報収集機1機およびH-6爆撃機2機の計5機が、15(同27)年2月には、Y-9情報収集機1機が2日連続で、また、同年5月には、H-6爆撃機2機が、それぞれ同様の飛行を行った。このように、中国機による活動はさらに活発化している57

 尖閣諸島およびその周辺上空のわが国領空については、12(同24)年12月に、中国国家海洋局所属の固定翼機が中国機として初めて当該領空を侵犯する事案が発生し、その後も同局所属の固定翼機の当該領空への接近飛行がたびたび確認されている58

 参照図表I-1-3-5(中国機に対する緊急発進回数の推移)、図表I-1-3-6(わが国周辺空域における最近の中国の活動)
図表I-1-3-5 中国機に対する緊急発進回数の推移
図表I-1-3-6 わが国周辺空域における最近の中国の活動(航跡はイメージ)
「Y-9」情報収集機の画像
沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋へ進出した「Y-9」情報収集機
(14(平成26)年12月)
(注)この写真は見やすいように拡大したもの

(4)南シナ海およびインド洋における活動の状況
 中国は、東南アジア諸国連合(ASEAN:Association of Southeast Asian Nations)諸国などと領有権について争いのある南沙・西沙諸島などを含む南シナ海においても活動を活発化させている。09(同21)年3月および13(同25)年12月には、南シナ海を航行していた米海軍艦船に対し中国海軍艦艇などが接近・妨害する事案が発生している。
 また、14(同26)年8月には、中国軍の戦闘機が米軍機に対し異常な接近・妨害を行ったとされる事案などが発生している。また、中国海軍艦艇が周辺諸国の漁船に対し威嚇射撃を行う事案も生起していると伝えられている。さらに近年では、岩礁の埋め立てを含む同海域における中国の活動に対してベトナムやフィリピンなどが抗議を行うなど、南シナ海をめぐって中国と周辺諸国との摩擦が表面化している。

 中国は、南沙諸島にある7つの岩礁59において、急速かつ大規模な埋め立て活動を強行している60ほか、一部の岩礁では滑走路や港湾を含むインフラ整備を推進しているとみられ、米国をはじめ国際社会から懸念が示されている61。中でも、ファイアリークロス礁においては、それまで最大だったイツアバ島を抜き、南沙諸島で最大の広さとなり、現在は3,000m級の滑走路を建設中とみられている。
 また、15(同27)年に入って大規模な埋め立てが始まったスビ礁においても、同年4月の時点で既に滑走路の建設が可能な規模の埋め立てがなされたとの指摘がある。

ファイアリークロス礁の画像
急速に埋め立て工事が進むファイアリークロス礁(左:14(平成26)年8月14日時点、右:15(同27)年3月18日時点)
【CSIS Asia Maritime Transparency Initiative / DigitalGlobe】
また、中国海軍艦艇は、インド洋へも進出している。

転載元: 沖縄県風土記を読みませんか


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