宮崎市 宮崎空港 県警組織犯罪対策課 宮崎南署 覚せい剤 密輸入 逮捕 [宮崎市]
宮崎空港の国際線を利用して覚せい剤約1.8キロを密輸入したとして、 県警組織犯罪対策課と宮崎南署は19日、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)の疑いで、東京都江東区、団体役員東野容疑者(64)を逮捕したと発表しました。
同空港での密輸の摘発は初で、末端価格は約1億2600万円です。東野容疑者は「香港で受け取った」などと供述しています。
県警は、外国人犯罪組織が関与しているとの見方を強めており、 「手薄な地方空港が狙われた可能性もある」と警戒感を強めています。
宮崎地検は同日、東野容疑者を同法違反の罪で起訴しました。門司税関細島税関支署の告発を受け、覚せい剤を輸入しようとしたとして、関税法違反の罪でも起訴しました。裁判員裁判で審理されます。
起訴状などによると、東野被告は8月30日、キャリーバッグに覚せい剤を入れて香港を出発。 台湾(台北)で宮崎空港行きのチャイナエアラインに乗り換えて日本に密輸入したなどとされます。
県警や地検は認否を明らかにはしていません。
県警や同支署宮崎空港出張所によると、入国時の税関検査で、キャリーバッグ内のリュックサックをX線検査。
ビニール袋などに入った覚せい剤が見つかったといいます。通報を受けた県警が、鑑定で覚せい剤と確認し翌31日に緊急逮捕しました。
東野被告は単独で同月27日に宮崎空港を出発、台湾経由で香港に渡航しました。 県警の調べに「香港でリュックごと受け取った」「指示を受けて運んだ」などと供述。
携帯電話のメールなどを解析した結果、犯罪グループの関係者と見られる人物と英語で連絡を取り合っていたことが確認されているといいます。
東野被告のパスポートから8月17日に羽田空港を出発して香港に行き、20日に宮崎空港に帰国していることも判明しました。 詳しい足取りや依頼主、運び先などを調べています。
県内での覚せい剤1.8キロの押収は、1997年に日向市細島港で、北朝鮮船籍の貨物船の荷物から見つかった58.6キロに次ぐ規模です。
空港での摘発は同出張所が開設された2002年4月以来初めてです。 同支署によると、昨年は全国の税関で859キロの覚せい剤が摘発され、このうち空港が304キロに上がりました。
同支署は「宮崎は初だが、地方空港で覚せい剤が摘発されることは多少ある」としています。
県警は「今回の犯行は手薄な地方空港を狙った可能性もある。
今後も密輸を防ぐために税関との連携を強化していく必要がある」としています。